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2009年09月09日
点と線に見る料理観
異国の文化に触れたと感じる瞬間は、風土や生活習慣、あるいは器や味、香りであったりと、
多面的で興味深く、心躍る瞬間でもあります。
20代の頃、フランスを中心としたヨーロッパを渡り歩いた私も、刺激的で魅力ある食文化に触れることができました。
非常に貴重な経験であったと思います。
今回は、西洋と日本の料理のとらえ方、盛りつけについて書きたいと思います。
ヨーロッパに行く前、想像の中でしか解決できないものの一つに、盛りつけ、
美的センスの違いがありました。
単純に和食と洋食を比べた場合、大きな違いの一つに、点と線の違いがあります。
点とは和食であり、線とは洋食を指しています。
分かりやすく言えば、箸(はし)とナイフ・フォークの違いとも言えます。
日本人は箸で食事をするため、どんな形の器でも、どんなに高く盛り付けても、
材料一つ一つを点でとらえ、箸で食べることができます。
しかし、ナイフ・フォークとなると、切り分け易く、フォークで食べ易い平面的な器に、
基本的には線を生かして盛ることになります。
点で盛りつける手法と、曲線や左右対称の線で盛る手法の違いです。
建築物や庭園などを見ると、さらによく分かります。
西洋では、左右対称に曲線を巧みに生かした連続模様の美しさが目を引きます。
新しい造形美を作りだすという発想が、根底にあるのかも知れません。
一方、日本の庭園などは、いろいろな樹木が混在し、
自然のありのままを表現するように見受けられ、
双方とも器の形や盛り付けに、大きな影響を与えているように思えてなりません。
(近年ヨーロッパの料理長たちが日本に招待され、日本料理の盛り付けを逆輸入して
自分の料理に取り入れており、西洋料理の盛り付けも随分と変わってきています。)
線や面を生かし、西洋の食文化を演出したものに、ビュッフェ料理があります。
会場をひとつの立体と面でとらえ、高さと線で表現していくもので、
連続模様を巧みに利用した力強い料理の盛り付けには、目を見張るものがあります。
特にピエス・モンテ(デコレーション・ケーキ)などは圧巻というほかにない。
これには、日本料理の域を超えた大きな演出の世界観を見ることができます。
このように、町並みを歩き感じることとまったく同じ世界観を、
料理の中に感じることができるのです。
点と線で料理をとらえてみるー。以外に新しい発見があり、楽しいかも知れませんよ。
多面的で興味深く、心躍る瞬間でもあります。
20代の頃、フランスを中心としたヨーロッパを渡り歩いた私も、刺激的で魅力ある食文化に触れることができました。
非常に貴重な経験であったと思います。
今回は、西洋と日本の料理のとらえ方、盛りつけについて書きたいと思います。
ヨーロッパに行く前、想像の中でしか解決できないものの一つに、盛りつけ、
美的センスの違いがありました。
単純に和食と洋食を比べた場合、大きな違いの一つに、点と線の違いがあります。
点とは和食であり、線とは洋食を指しています。
分かりやすく言えば、箸(はし)とナイフ・フォークの違いとも言えます。
日本人は箸で食事をするため、どんな形の器でも、どんなに高く盛り付けても、
材料一つ一つを点でとらえ、箸で食べることができます。
しかし、ナイフ・フォークとなると、切り分け易く、フォークで食べ易い平面的な器に、
基本的には線を生かして盛ることになります。
点で盛りつける手法と、曲線や左右対称の線で盛る手法の違いです。
建築物や庭園などを見ると、さらによく分かります。
西洋では、左右対称に曲線を巧みに生かした連続模様の美しさが目を引きます。
新しい造形美を作りだすという発想が、根底にあるのかも知れません。
一方、日本の庭園などは、いろいろな樹木が混在し、
自然のありのままを表現するように見受けられ、
双方とも器の形や盛り付けに、大きな影響を与えているように思えてなりません。
(近年ヨーロッパの料理長たちが日本に招待され、日本料理の盛り付けを逆輸入して
自分の料理に取り入れており、西洋料理の盛り付けも随分と変わってきています。)
線や面を生かし、西洋の食文化を演出したものに、ビュッフェ料理があります。
会場をひとつの立体と面でとらえ、高さと線で表現していくもので、
連続模様を巧みに利用した力強い料理の盛り付けには、目を見張るものがあります。
特にピエス・モンテ(デコレーション・ケーキ)などは圧巻というほかにない。
これには、日本料理の域を超えた大きな演出の世界観を見ることができます。
このように、町並みを歩き感じることとまったく同じ世界観を、
料理の中に感じることができるのです。
点と線で料理をとらえてみるー。以外に新しい発見があり、楽しいかも知れませんよ。
Posted by k-koei at 19:43│Comments(1)
この記事へのコメント
初めてコメントします。
同感です。
箸とフォーク・ナイフの違い、明快な説明に敬服しました。
私も2年ほど、ブラジルで、日系福祉施設や病院で栄養士として、現地のスタッフの指導にあたりました。
食文化の違いと言えばそれまでですが、どうその違いを説明していいのか上手く表現できませんでした。
盛り付けの例えを私は洋風庭園と日本庭園の違い、花時計と山水画を例にはなしていました。
同感です。
箸とフォーク・ナイフの違い、明快な説明に敬服しました。
私も2年ほど、ブラジルで、日系福祉施設や病院で栄養士として、現地のスタッフの指導にあたりました。
食文化の違いと言えばそれまでですが、どうその違いを説明していいのか上手く表現できませんでした。
盛り付けの例えを私は洋風庭園と日本庭園の違い、花時計と山水画を例にはなしていました。
Posted by ガチマイおばさん at 2009年09月10日 05:58